ずっと読むのを楽しみにしていた本を紹介します。
りっつんさんの『未亡人26年生が教える心地よいひとり暮らし』です。
著者のりっつんさんは息子さんから59歳のお誕生日プレゼントとして「ブログをはじめること」を贈られました。
りっつんさんのブログが人気となり、本書はそのブログをまとめたものです。
「未亡人26年生が教える心地よいひとり暮らし」はこんな人にお勧め
✔ ブロガー初心者
✔ 人との距離感に悩む方
✔ 大事な人を亡くし頑張っている方
著者
りっつんさん
1957年12月宮城県生まれ。現在は埼玉在住。
36歳で当時38歳のご主人様をご病気で亡くされます。
在宅で日本語の字幕製作をするお仕事をされる傍ら、シニアブロガーとして活躍。
ひとり暮らしのりっつんさんですが、メス猫のシャンクスという同居家族がいます。
「りっつん」というのは、著者のご家族内での愛称とのこと。
それがブログのペンネームとなりました。
お勧めポイント
文章がきれい
まずは文章がきれいで読みやすいということです。
文章に携わるお仕事をされていて、ブロガーさん、さらに書籍化までされているから当然と言えば当然なのですが、特に初心者ブロガーの方は参考になると思います。
例えば、一文の長さ。
わかりやすい・わかりにくい文章の分かれ目の一つはこの長さにあるとされています。
途中で何度も読点(「、」てんのこと)を打ったり、結局何が主語かわからない文章だったりすると文章の信頼度も下がります。
至極当たり前のことなのではありますが、おそらく一文の長さについてはかなり意識されているのではないかと見受けられました。
人との距離感が心地よい
人とのつかず離れずの距離感が意外と難しいことは皆さんお判りだと思います。
その相手が大事な人ならなおさら。
りっつんさんは、息子さんたちのことも好きだということは変わらないとしながらも、子育ての最大の試練は子離れだと言っておられます。
ご主人様を亡くし、頼りになる存在となってくる息子さんたちとの生活も心地よいことは理解しつつ、お互いが自立することが大事だと言い切るのです。
息子さんたちとの距離感同様、お友達との距離感についてもとても大事にされていることがわかります。
お互いが1から10まで、何もかも知ってるなんて、ちょっと怖いかもしれません。ある程度距離があるほうが、居心地はいいです。
「未亡人26年生が教える心地よいひとり暮らし」より
本当にその通りですね。
べたべたとした関係は壊れるときもそら恐ろしいもの。
そして、そのような関係は依存を生むことにつながりがちです。
息子さんたちとの関係同様、お互いが自立して対等でいられるからこそ距離を居心地の良さととらえることが出来るのだと思います。
ひとり暮らしも悪くないと思える
距離感のこととも関連しますが、りっつんさんは、ひとり暮らしをとても楽しまれてるのが文章を読んでいてよくわかります。
同居猫シャンクスとの関係、ときどき訪れるお友達、息子さんたちやお嫁さん・お孫さんたち。
また一人の時間も、ピアノを弾いたり、お散歩をしたり、妄想をしたり、きっとそんなときにブログを書いたりもされてるんでしょうね。
住み慣れた埼玉を離れて、もし引っ越しするならこんなところがいいと考えておられるのもすごい。
人にもモノにも、土地にも執着せず、人生を軽やかに生きておられるのがとても伝わってきます。
こんな風に生きられるなら、ひとり暮らしも悪くないなと思えますね。
気になるポイント
シニアブロガーって?
ひとつだけ気になるのは、りっつんさんは、ご自身のことを「シニアブロガー」と称しておられるのですが…
この本を書かれた62歳って…正直シニアというには若干微妙かなという気がします。
今の60代ってお若いし、シニアという表現に違和感を感じるのは私が40代になったからでしょうか。
本書の中で「未亡人」という言葉に抵抗を感じるといった趣旨のことを書かれています。
それは他人からカテゴライズされることに抵抗を感じておられるのかな?と思ったのです。
そのこともあり、年齢・年代でのカテゴライズには抵抗を感じておられないことに少し違和感を感じました。
まとめ
「未亡人26年生が教える心地よいひとり暮らし」はこんな人にお勧め
✔ ブロガー初心者
✔ 人との距離感に悩む方
✔ 大事な人を亡くし頑張っている方
元がブログをまとめたものということもあり、さらさらと読みやすくまとまっています。
ささやかな日常を本当に冷静につづっておられて、こういう大人のお友達がいたらお近づきになりたいなと思ってしまいました。
まさに雑記ブログのお手本で、文章から作者の人柄が見える魅力的な本です。
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