中村龍太『出世しなくても、幸せに働けます。』感想

「働き方改革」という言葉が浸透して久しいですが、新型コロナウイルス予防のための生活様式の変化もあり、働き方にも変化が起きています。
副業ブームもその一つ。
会社員としての働き方にこだわるとどうしても「出世」＝収入の増加が生活の質や人生に影響します。
しかしそのこだわりをなくすとどうなっていくのでしょうか。

この本を手に取ったきっかけ

実はこの本のことはネットで知りました。
まずタイトルにとても興味を惹かれました。

NECやマイクロソフトなどの超有名企業で新規事業を立ち上げた経歴をもつ著者が「出世しなくても」というワードを出しているのはなぜなのか？

また自らの肩書を「複業家」とされていることにもとても関心を持ちました。
あまりに気になったので、当ブログ内でも紹介しています。

『出世しなくても、幸せに働けます。』はこんな人におすすめ

著者

中村龍太さん。複業家。
日本電気、日本マイクロソフトと超大手有名企業でバリバリの会社人間として仕事に従事してきました。
しかし、マネージメント職の失敗を経験。
そのことをきっかけにキャリアコンサルタントを受け、自らの働き方、生き方を考え直すきっかけをもちます。
本当の興味あることは社外にあるのでは？との指摘から行動を起こし、転職。同時に複業を開始します。

自らの複業経験・ノウハウを著書やセミナーという形で広めておられます。

おすすめポイント

やりたいことが社外にあってもいいと思える

著者の項でもご紹介したように、キャリアを積んでいく中でキャリアコンサルタントを受けた著者はキャリコンの先生から「やりたいことが社外にあるのでは」と指摘を受けます。
会社員として生きてくると、「やりたいこと＝社内の仕事」でないといけないと思ってしまいますし、それが正だという教育を受けがちです。
（そうでないと統制出来ないと考えがちの経営者はいまだに多いです）
実際私自身もそういう指導を受け、長い間苦しんできました。

しかし、この指摘により著者は「会社外の活動」に目覚め、それをきっかけとして複業の世界に踏み出していきます。
複業の世界に進んでいくことでの著者の活躍はこのあと本書を読み進めると明らかですが、何より一番いいと思ったのは「やりたいことが会社の外にあってもいいんだ」ということです。

社員の人生はその本人のもの。
洋服に例えるならば、サイズの合わない服を着続けるのではなく、腕も肩も足も動かしやすい服を着るのが一番快適なはずです。
会社に属するから会社の仕事に自分の気持ちを合わせる必要はないということに救われる人はきっとたくさんいると思いました。

複業・副業には特別な能力がなくてもいい

複業・副業に興味がある、実際やっている人も多いと思います。
（この本に興味をお持ちの方はもちろんそういう方が多いですよね）
ただ、始めてみてもなかなか結果が伴わなかったり、そもそも自分には特別な能力などないと諦めてしまっている方も多いと思います。

しかし本書ではそんな複業の見つけ方のヒントも教えてくれます。
これを読むと本当に「みんな唯一無二のスペシャリスト」の意味がわかるのです。
なかなか自分の能力に自信がない、見つけられないという方も多いと思いますが、複業に興味がある・既にやっている方はぜひ一度見つめなおすきっかけにしていただくといいなと思います。

幸せに生きるとは自分の意思をもって進むこと

本書では複業をすることになったきっかけや、どう取り組んでいるかについても書かれています。
著者が複業の道に進むことになったのはひょんなきっかけからでした。
収入面を考えての副業であれば、実は無限にいろんな方法があったのではないかと思います。

複業にせよ、副業にせよ、転職にせよ究極的には幸せになりたいという気持ちからの行動ではないでしょうか。
生活があるから収入が必要なのですが、それもどの程度の生活水準に幸せを感じるか、何に幸せを感じるかはその人によって違います。
収入があればいいのか、収入を得るための過程を必要としたいのか、それもその人によって感じ方が変わると思います。

何をもって収入を得るかは無限に方法がありますが、どうなりたいかがないと単にお金を得るだけ。
そう考えると幸せになる・幸せを感じるとは自分の考えや意思があってのことだとあらためて感じさせられました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
幸せに働きたい人、幸せに生きていきたい人にとっての必読書だと思いました。
お気に召した方はぜひご一読を。

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